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介護の常識とは何でしょう・・・?

2021年5月1日

はなまるホーム十条

介護の常識ってなんでしょうか?
この記事を読んでいる皆さんは少なからず
介護や認知症・グループに興味のある方だと思います。
今回のブログは、そんな皆さんにお話したいエピソードを書かせていただきます。

私は、東京都北区にあるはなまるホーム十条の施設長の有村です。
都内にしては、施設目の前に緑が生い茂り、夏にはカブトムシも飛んできます。
ホームは、急な坂をのぼった上にあり、景色も良いところです。


さて、本題ですが、とある日、スタッフから相談がありました。

フミさん(仮名/80代後半女性/自力歩行可能)が
入浴する際の拒否が強く、どうしたら良いでしょうか?というものです。

具体的には、
「服を着る・脱ぐことを嫌がる」
「体を触ると、痛いからやめて」と話す。
「シャワーをかけると嫌がる」
「なかなか立ち上がってくれない、うまく伝わらない」

介護業界で良く言われる「介護拒否」です。
本来は人として当たり前に嫌なものは嫌と伝えてくれているだけなのですが・・・

私がこの話を聞いて、実際にフミさんの入浴をお手伝いさせて貰った時の話です。
結果から言うと、いくつかのポイントを押さえてケアを行うことで
入浴を拒否されることはなく、笑顔でご入浴いただくことができました。

ポイントは、「常識を捨てて」フミさんに行動や考えを合わせたからです。

◪ポイント1 立ってもらいたい時は「立ってくれますか?」と声を掛ける

通常は、立ってもらいたい時に「立ってくれますか?」と声を掛けるでしょう。
ですが、立っていただけない場合、言葉の意味が理解できていない可能性があります。
その場合は、「言葉で伝える」という常識を捨てて、別の方法を考えなくてはいけません。
試しに座っている本人の前に気に入っている猫のぬいぐるみ(動くロボット)を置いてみると、ぬいぐるみを抱きかかえようと立ち上がりました。
これで立ち上がりはスムーズに◎

◪ポイント2 湯船に肩までつかる&シャワーで体を流す

湯船に入って貰うために工夫しますが、なかなか座ってくれない、
入ったとしても今度は立ってもらえず、体を触って立ってもらうとするが触らないでと言われてします。
そこでまた常識を変えなければいけません。
湯船に入っていただけないのならば、立ったまま、肩にタオルをかけて
洗面器のお湯をゆっくりかけてあげれば良いのです。
その結果「気持ちが良いなぁ」と笑顔になってくれました。
【湯船にはつかるものだ】と当たり前のように認識していますが、
柔軟に変化させていく事が大切なのかなと感じました。

常識に捉われずに、臨機応変に相手に合わせながら
介護を行っていくことが大切だと思います。


介護についてのご相談などあれば、お気軽にご連絡ください。

はなまるホーム十条