ご利用者さまが日常生活を楽しまれている姿は、
生き生きととても美しく見えます。
ご家族様もそのような姿を見た時に、
大きな喜びを感じていらっしゃるようです。
楽しい日常生活を演出するのは私たちの腕の見せ所と言えますが、
それだけでは物足りない何かを皆さん感じていらっしゃいます。
グループホームに入居されてから、なかなか味わうことが難しいのが
「ハレの場」です。
それでも、まれにお孫さんの結婚式や、ご親族揃ってのお食事会に
出掛けられることは有りますが、定期的に有るわけではないので、
ハレの日を実感するまでには至っていないように見えます。

そこで私たちは定期的にハレの場を提供することにより、日頃味わうことのない潜在意識を覚醒して頂きたいと考えました。
私たちは2つのハレの場を用意し、今年から実施することと致しました。
「ハレの場」先ず一つは「本物の極上寿司を味わって頂くこと」、銀座の有名寿司店元店主にボランティアで握って頂き、
ご家族様と共に好きなだけお寿司を召し上がって頂きます。
大変な盛り上がりを見せていますが、召し上がって頂いている寿司は「本物」です。
いつもの食事と違う佇まいを皆さん見せています。

もう一つの「ハレ」は「クラシック演奏会を聴きに行く」ことです。
お化粧をして、おしゃれをして演奏会場に入られた時の皆さんの顔は、青春真只中のその顔です。
あの紅潮したお顔は施設では絶対に見られないものです！
更に、驚いたことにこの二つのイベントのことは皆さん忘れないのです！

これらの事が単なる想い出に留まることなく、「一年に一回か二回また楽しめる」
という思いが、「頑張って生きていかないと！」という気持ちを引き起こし、
実際にそのお言葉を私たちは聞いています。
今後もこのイベントは継続して参加して頂きますが、更に新しい「ハレの場」を
皆さんと考えることが、スタッフ、ご利用者さまの楽しみになっています。